幼な子われらに生まれ

 

「幼な子われらに生まれ」

直木賞作家・重松清が1996年に発表した同名小説を、「少女」の三島有紀子監督のもと

映画化した人間ドラマ。

バツイチ子持ちの信は奈苗と再婚。

彼女の連れ子にも誠心誠意尽くそうとするが、

奈苗の妊娠をきっかけに長女が

本当の父に会いたいと言いだし・・・・・・。(キネマ旬報からの抜粋)

「あゝ、荒野」に続き、この作品も、今年を代表する一本だと思います。

力作です。

荒井晴彦さんの脚本も素晴らしいし、浅野忠信、田中麗奈、寺島しのぶ、宮藤官九郎、そして、

子役陣の演技も熱演でした。

そして何といっても、監督の三島有紀子さんの女性ならではの

細やかな演出。

「繕い裁つ人」などもそうでしたけど、

神戸の大学出身者だけに、神戸のにおいが

感じられて、

好きな映画作家のひとりです。

実際、画面上で、(東京郊外が舞台の設定)

斜行エレベーターなんて、関東にもあるんだなあなんて、

思いましたが、やっぱり、兵庫県西宮市の名塩まで、

ロケにきていたのですね。

途中までは、生きるのが下手な人たちばかりと

思って観ていましたが(共感するところも、もちろん多々ありましたが)、

ラスト近く、救われた感じがしました。見事な演出だと思います。

小説は20年前ごろに発表されたものですが、

今の時代、多くの人に見てほしい作品でした。

 

昨日は(11月3日)、”まんがの日”だそうです。

手塚治虫さんの誕生日で、

来年は生誕90年だそうです。

以前にもこのブログに書かせてもらいましたが、

私も、手塚信者のひとりでした。

影響を受けられた方は、数多くいらっしゃると思います。

手塚さんが いなければ、今の日本のまんがが

これほどの隆盛になっていなかったという話を、また、

想い出さずにはいられません。